会社・法人設立

会社を設立するには、どんな手続きが必要ですか?

会社の設立には、大きく分けて3つのステップがあります。

  1. 定款を作ります。 
    「定款」とは、出資者が決めた会社ルール(基本的事項)です。 実際に会社を運営していくのは取締役になりますので、その取締役が勝手なことをしないように、定款というルールを決めるわけです。 会社法では、「定款自治の拡大」が図られ、自由な選択肢が可能なのも特徴です。詳しくは行政書士にご相談下さい。 定款は、作成した後に公証役場にて認証を受けなければなりません。 認証を受けられる公証役場は、会社の本店を置く予定の都道府県にある役場でなければなりません。 
    行政書士は電子定款の作成ができます。電子定款を利用すると4万円の印紙代が不要です。
  2. 出資金を払い込みます 
    定款の認証が終わると、次は出資金を払い込むことになります。 具体的には各出資者が、発起人代表の個人名義の銀行口座に振り込んで行います。 
    出資者全員の振込みが終われば、その払い込みが記録された銀行通帳のコピーを用意して、代表取締役の証明と一緒に綴じて「払い込みがあったことを証する書面」という証明書を作成します。
  3. 設立登記をします 
    本店所在地を管轄する法務局に設立の登記申請をした日が、会社の設立日になります。もし大安の日に設立したい希望がある場合には、その日を申請日として下さい。
会社を設立するにはいくらくらいの費用がかかりますか?

最低限かかる費用は、以下のとおりです。

  1. 定款の認証に、9万数千円かかります。 
    内訳
    • 公証人の手数料に5万円
    • 定款に貼る印紙代に4万円
    • 定款の謄本発行手数料が1通につき千円前後
  2. 登記申請に、登録免許税が必要です。 
    税額は資本金の1000分の7ですが、これが15万円に満たない場合は、15万円。

電子定款で定款認証される場合、上記の印紙代4万円が不要になります。電子定款の作成をご希望される方は、電子定款対応の行政書士にご相談ください。

会社法の施行により、有限会社法が無くなったと聞きましたが、以前からあった有限会社はどうなるのでしょうか?
新しい有限会社は作ることは出来ません。しかし、今までの有限会社は経過措置により「特例有限会社」として存続し、以前の有限会社の規定が適用されます。ただし、会社法上は株式会社とみなされます。 
なお、簡単な手続きで株式会社に移行することも可能です。
有限会社のまま残すか、株式会社に変更するか、どちらがよいのでしょうか?

会社により特性が違いますので一概には言えませんが、次の二つの違いを検討して下さい(下表参照)。

  特例有限会社 株式会社
役員の任期 定めなし
  • 原則、取締役2年、監査役4年。 
    (ただし、譲渡制限会社は最長10年まで可能)
  • 任期満了後、変更登記要。
決算公告 義務なし 義務あり

その他にも違いがありますので、様々な条件を考慮して決める事になります。一度、お近くの行政書士にお尋ねください。

これまであった合名会社・合資会社などはどうなるのですか?
会社法の中では、合名会社・合資会社は、合同会社と共に「持分会社」としての位置付けになりました。 旧商法において規定されていた時と大きく異なる点としては、社員が一人でも会社が存続するようになったり(合名会社)、法人も無限責任社員になれるようになったり(合名会社・合資会社)、株式会社への組織変更が可能になった点などです。
最近耳にするLLCやLLPとは何ですか?

LLC(通称日本版LLC:Limited Liability Company)は、先述の「持分会社」の中の「合同会社」の事で、簡単に言うと合名会社の社員が有限責任になったようなものです。 
また、LLP(Limited Liability Partnership)とは、「有限責任事業組合」の事で、これは会社法の範囲ではありませんが、合同会社と比較すると解りやすいので、よく併記される事が多いようです。 
この二つの共通点は、出資者が有限責任である、組織の内部規律が比較的自由に作れる、登記が必要、などです。 相違点としては、会社か組合か、存続期間を定める必要が無いか有るか、一人で出来るか二人以上必要か、そして最大の違いである会社に課税されるか構成員に課税されるか、などが挙げられます(下表参照)。

【LLCとLLPの対比】
  LLC LLP 株式会社(参考)
組織形態 法人 組合 法人
責任 有限責任 有限責任 有限責任
出資者 1名以上 2名以上 1名以上
定款認証 不要(作成は必要) 不要(契約書を作成) 必要
登記 必要 必要 必要
存続期間 定める必要なし 定める必要あり 定める必要なし
課税 法人課税 構成員課税 法人課税
取締役3名、監査役1名の株式会社(非公開会社、株式譲渡制限会社)ですが、役員の数を少なくすることができますか?
取締役を1名又は2名にすることもできますし、監査役を置かないこともできます。そのときは、定款中の機関に関する規定を株主総会で変更するとともに登記の記録に関する変更も必要です。 
たとえば、取締役を1名又は2名にしたときは、取締役会を設置しない会社になります。 
現在の登記「取締役会設置会社」、「監査役設置会社」に該当しなくなったときは、抹消する必要があります(登録免許税各々3万円)。
役員の任期は最長何年ですか?長く変更できますか?
会社法では、取締役の任期は原則として2年となります。ただし、株式の譲渡制限に関する定めを設けている株式会社については、定款で定めることにより最長10年まで伸ばすことができます。 
また、監査役の任期は原則として4年となります。こちらも、株式の譲渡制限に関する定めを設けている株式会社については、定款で定めることにより最長10年まで伸ばすことができます。 任期を長くすると、役員変更の手続き費用の軽減につながるというメリットがある一方で、任期満了の年を忘れてしまったり、任期途中で解任した取締役から損害賠償請求されるリスク (残任期間中の役員報酬、解任について正当な理由があるか)といったデメリットも考慮する必要があります。
発行済株式の全部を持っている経営者ですが、相続を巡って家族間の争いや会社と家族の間で問題にならないようにしたいと思っています。私が現役のうちにやっておいた方がよいことがあれば教えてください。
後継者を誰にするかによって、具体的な対応は異なってきますが、一般的な考え方をお話します。 
相続予定者が全員会社経営に関与することは、比較的少ないと思います。そこで、どなたかひとりを後継者とするという場合には、その方に発行済株式の全部を相続させる旨の公正証書遺言を残すことが考えられます。 また、種類株式を活用する方法もあります。定款を変更して、議決権制限株式(無議決権株式も可能)を発行したり、発行済の普通株式の一部を議決権制限株式に変更しておきます。後継者の方には普通株式、 その他の方には議決権制限株式を相続させることで、後継者以外の家族と会社との関係に距離をおくことも考えられます。 さらに、「当会社は、相続、合併その他の一般承継により当会社の譲渡制限の付された株式を取得した者に対し、当社株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。」 という定款の規定を新設することで、株式の分散を防ぐという手当も有効です。
同一市区町村内で、類似商号の会社がすでにあっても、設立できるようになったようですが、同じビルで同じ本店所在地の株式会社は設立できますか?
同一住所で同一の商号の会社がすでに設立されているときは、会社目的の如何に関わらず、その商号を採択することはできません。
取締役1名の株式会社を設立する予定です。1名だけでも「代表取締役」となるのですか?
会社法では、代表権のある取締役を「代表取締役」とすると規定されていますので、1名でも「代表取締役」とされます。
取締役2名で取締役会を置かない株式会社を設立する予定です。株式の譲渡制限は、定款でどのように定めたらよいでしょうか?
取締役会を置かないので、「当会社の株式を譲渡するには株主総会の承認を受けなければならない。」と定めてもよいのですが、 株主総会の招集手続を考えれば、「当会社の株式を譲渡するには取締役の承認を受けなければならない。」と定めた方が事務の効率の面からは、よいかと思われます。
金融機関の払込金保管証明については、現在必要ですか?
募集設立については、金融機関の払込金保管証明書の交付を受ける必要がありますが、発起設立では、設立時代表取締役が発行する払込証明書(通帳の写しを添付)により行うことができます。
NPO法人とはどのようなものですか?

NPO(‘Non Profit Organization’)法人とは、法的には「特定非営利活動法人」といいます。 平成7年1月に発生した阪神淡路大震災以降の市民活動の高まりを契機に、市民団体にも簡易に法人格を与えようという機運が高まり、平成10年12月1日に施行された「特定非営利活動促進法」に基づく法人のことです。

※1 認定NPO 法人とは 
認定NPO 法人とは、NPO 法人のうちその運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資するものにつき一定の基準(パブリック・サポート・テストを含みます。)に適合したものとして、 所轄庁の認定を受けたNPO 法人をいいます(法2③、44①)。

※2 特例認定NPO 法人とは 
特例認定NPO 法人とは、NPO 法人であって新たに設立されたもののうち、その運営組織及び事業活動が適正であって特定非営利活動の健全な発展の基盤を有し公益の増進に資すると見込まれるものにつき一定の基準 (パブリック・サポート・テストは含まれません。)に適合したものとして、所轄庁の特例認定を受けたNPO 法人をいいます(法2④、58①)。

NPO法人格を取得すると、どのようなメリットがありますか?
福祉、環境、まちづくりなどの様々な分野で、ボランティア活動等による社会貢献活動が活発化し、その重要性が認識されてきましたが、それらを行う民間の団体の多くは法人格を持たない任意団体として活動してきました。 そのため、事務所を借りたり、銀行口座を開設したり、不動産登記や電話の設置などの法律行為を団体名義で行うことができず、様々な不都合が生じていました。 
そこで、この法律により法人格を得ることにより、これらの不都合が解消され、また社会的信用も高まるため、行政や企業などの支援が得やすくなるなど、活動の幅を広げるのに有利となるでしょう。
NPO法人となるにはどうすればいいですか?

①法律に基づいてNPO法人となるには、次のような要件を満たすことが必要です。

  1. 特定非営利活動(活動範囲が上記の20分野)を行うことを主たる目的とすること
  2. 営利を目的としないものであること(利益を社員で分配しないこと)
  3. 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
  4. 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
  5. 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと
  6. 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的とするものでないこと
  7. 暴力団でないこと、暴力団又は暴力団の構成員等の統制の下にある団体でないこと
  8. 10人以上の社員を有するものであること(うち理事3人以上、監事1人以上を含む)

②要件が整ったら、所轄庁(都道府県知事等)へ認証申請を行います。 
認証申請から所轄庁(都道府県知事等)の認証・不認証の決定を受けるまでに要する期間は、申請書の受理後3ヶ月以内とされています。 
(注)所轄庁が条例で縦覧期間を経過した日から2カ月より短い期間を定めた時は、その期間内に認証・不認証を行うこととなります。

一般社団法人・一般財団法人とはどのようなものですか?

一般社団法人・一般財団法人とは、剰余金の分配を目的としない社団(財団)について,その行う事業の公益性の有無にかかわらず,準則主義(登記)により簡便に法人格を取得することができることとするものであり、 平成20年12月1日より設立できるようになったものです。 
一般社団人法人・一般財団法人は、公益性の有無は問われないので、公益も営利も目的としない団体、例えばマンションの管理組合、同窓会、PTAなどが登記によって法人格を得られるようになります。 この一般社団・財団法人は、従来の中間法人の役割を受け継ぐものとなっています。 
なお、一般社団法人は、設立に当たっては、2人以上の社員が必要です。また、社員総会のほか、少なくとも1人は業務執行機関としての理事を置かなければなりません。 一般財団法人には、評議員、評議委員会、理事、理事会及び監事を置かなければなりません。

※一般社団法人・一般財団法人のうち、公益目的事業を行うことを主たる目的としている法人は、申請して公益社団法人又は公益財団の認定を受けることができ、認定を受けると「公益社団法人」「公益財団法人」の名称を使用することができます。

公益法人を設立するにはどうすればよいですか?
まず一般社団法人・一般財団法人を設立した後に、内閣府又は都道府県に対して公益認定の申請をすることが必要です。 
平成20年12月1日に法律が施行された新しい公益法人制度では、一般社団・財団法人が、公証人による定款認証と設立の登記を行うだけで設立することができるようになりました。 
さらに、一般社団・財団法人が、公益社団・財団法人となるためには、内閣府又は都道府県に対して申請を行い、公益認定を受けなければならなくなりました。
将来、公益認定を受けることを目標に一般社団・財団法人を設立しますが、注意点はありますか?
一般社団・財団法人は定款の認証・設立登記のみで設立できますが、公益認定の申請を見越した定款を作成し、法令・定款に基づいた管理・運営することが大切です。 
下記サイトに公益認定を見越した定款作成の参考となる資料がありますので、ご覧ください。 
公益法人information「公益認定のための「定款」について」https://www.koeki-info.go.jp/regulation/teikan.html
公益認定にはどのような要件がありますか?

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下、認定法)第5条に規定されている18の基準を満たす必要があるほか、認定法第6条の欠格事由のいずれにも該当していないことが必要です。 
基準については、内閣府公益認定等委員会からガイドライン、FAQ、パブリックコメント等が出されています。また滋賀県では詳しい「手引き」を作成していますので、これらもご参照ください。

公益法人information 「公益法人になる」 
https://www.koeki-info.go.jp/application/index.html 
滋賀県 「一般社団・財団法人の設立及び公益社団・財団法人の認定・運営の手引き」http://urx.blue/CIrj

各府県の公益法人に関するHPは以下のとおりです。 
大阪府「公益法人について」 
http://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/koueki/index.html

京都府「公益法人制度について」 
http://www.pref.kyoto.jp/koueki/

奈良県「新公益法人制度について」 
http://www.pref.nara.jp/5693.htm

滋賀県「新しい公益法人制度について」 
http://www.pref.shiga.lg.jp/koeki-hojin/newkouekihoujin/newkouekihoujin01.html

愛媛県「公益認定手続き等のご案内」 
https://www.pref.ehime.jp/h10600/koueki/02index.html

和歌山県「公益法人制度改革について」 
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/010100/koekihyo/seidokaikaku.html

行政書士は公益法人の設立・管理運営に関してどのように関わっていますか?

行政書士は次のような業務を通じて、公益法人の活動の発展に寄与しています。

  • 一般社団法人・一般財団法人の定款の作成及び認証(設立)
  • 公益認定申請書の作成、申請代理
  • 内部規程(役員報酬規程、理事会運営規則、個人情報保護規程等)の作成
  • 基金や寄付金の募集に関する書類・契約書の作成
  • 管理運営のサポート(議事録の作成等)
  • 毎年の定期提出書類(事業計画書等)の作成

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